断熱の工法・施工方法の違いについて【HOUSE STUDY Vo.9】

永見工務店では、これから新築住宅を建てられる方やリフォームを考えられている方に、一生涯安心して過ごせる家造りをしていただく為の情報発信として「HOUSE STUDY」を掲載していきす。

皆様のお役に少しでも立てれば幸いです!


今回のテーマは・・・

長く快適に住む為のお家の断熱工法(施工方法)!<断熱工法編>

念願の新築住宅をご検討される際、皆様は何を重視されますか?

外観?間取り?設備機器?

どれもこだわりたい部分ですが、永見工務店が創業以来掲げているテーマの一つが「耐久性」です。
どれだけ省エネルギー性能の良いお家を建てても、基礎となる構造体がしっかりしていないと、将来的に膨大なメンテナンス費が発生する可能性も…。

実際に過去の事例で、入居後20年で大幅な改修工事が必要となり、1000万円近くの修繕費が必要になった事例もあります。

そこで今回のSTUDY!
”長く快適に住む為の断熱工法を知ろう

です。

普段の生活では見る機会は多くありませんが、夏の暑さや冬の寒さから、私達の生活を快適にしてくれる重要な断熱です。

断熱工法の違いを比べてみましょう!
近年一般的に使われる代表的な断熱工法(施工方法)としては以下があげられます。

①充填断熱(内断熱)
②外張断熱


①充填断熱(内断熱)とは
繊維系断熱材(グラスウール・ロックウール・セルロースファイバー等)や、発泡ウレタン、パネル状断熱材を壁内の柱間に、設置(充填)する断熱工法です。

グラスウール断熱材
グラスウール施工例
発泡ウレタン吹付施工例

充填断熱(内断熱)の施工としては以下が重要です!!

・柱間に隙間なく断熱材を充填する!
・壁体内での通風は無!

⇧後で又出てきますので、覚えてください。

②外張断熱とは
板状の断熱材(ウレタン・ポリスチレン・フェノール等)を家の外側に設置(張る)する断熱工法です。

ポリスチレンフォーム断熱材
外張断熱施工例 外観
外張断熱施工例 内観

●外張断熱の施工としては以下が重要です!!

・柱の外側に隙間なく断熱材を張る!
・壁体内での通風は有り、可能な限り通風するように施工します!

⇧後で又出てきますので、覚えていてください。

※私達大工の現場サイドでは、気密性や透湿性の確保、気流止め(充填断熱の場合)があったりで、断熱施工は非常に手間がかかる作業となります。
この施工をどこまで正確、緻密に行うかで、本来の断熱性能が100%発揮できるか否か、又、家の寿命にも大きな影響を与えます!

断熱性能を100%発揮する為には
断熱の理論を理解した者が施工する!」が、重要なポイントですね!

上記以外の工法!
充填断熱(内断熱)と外張断熱、遮熱工法等を組み合わせた、ダブル断熱・トリプル断熱・遮熱断熱等々、様々な組み合わせで各メーカーが売り出していますので、(当社でも様々な工法が施工可能です!)詳細は当社スタッフにお問い合わせください!

断熱性能に関して!
充填の方が良いとか、外張りの方が良いとか、(家の事をあまり勉強されていないハウスメーカーの営業の方等)決めつけられることがありますが、断熱の性能、数値に関しては、断熱材の種類や、厚み、密度等で決まる事ですので、絶対に「これがが良い!」と決定できる事ではありません。
断熱性能を表現するとすれば省エネルギー性能(サッシを含めた、家全体での性能)となりますので、誤解のないよう理解することが重要です。



ここから!(⌒∇⌒)

永見工務店のテーマの一つが「耐久性」です。

ここで、「断熱の工法」が「家の寿命」に与える影響を考えてみます。

先ずは、「壁体内結露」を理解しましょう! ←重要です!

【壁体内結露とは?】

家の寿命に大きく作用する、家にとって非常に悪い現象が「壁の中で起こる結露=壁体内結露」です。
窓にでる結露は、施主様がすぐに確認できますが、壁体内(壁の中)で結露が起こった場合施主様は確認できません。

日経ホームビルダーより 
壁体内結露によるカビ・腐食

この現象が長く続くと、壁体内でカビが発生したり、構造材の腐食が起きる可能性が非常に高くなります。
イコール、家の寿命が短くなります!

もしも、壁体内結露が発生したら??

現在建てられている新築住宅で、マニュアル(理論)に沿って断熱施工された新築に関しては、基本として通常のライフスタイルでは壁体内結露は起きません!
その為のマニュアルであり断熱施工の理論です!

しかし、それは新築の状態です。

永見工務店は30年後、50年後をどうしても考えてしまいます。

では、施主様が新築購入して30年経過したとします。
30年という年月の間には、想定外の出来事(大きな地震等)もあるかと思います。加えて、全ての材料に経年劣化なる事象も発生します。
もしも!もしも!ですが、30年後に上記理由で意図しない「壁体内結露」が発生したとします。(何もなければ基本として発生しません!)
その場合は、いかがでしょうか?

≪30年後 想定外で起きた壁体内結露に強いのは!?≫

充填断熱(内断熱)は壁体内通気はありません!
発生した結露は行き場がありません。壁体内に残留し続けます。

外張断熱は壁体内通気があります。
発生した結露は、天井裏・床下などへ拡散されます。

いかがでしょうか!(⌒∇⌒)

外張断熱は壁体内で「通気が」が行われます。よって、結露が「乾く」方向性になります。
充填断熱は「通気」が行われないので、その点では「乾く」方向性にはなりません。

ここで、もうお分かりですね!

永見工務店「KAMIKI」の標準断熱構造は、「外張断熱壁通気工法」
当社独自の内外2重通気構造で構造木材の乾燥を、長期にわたり維持し続けます!

加えて!「KAMIKI」の使用木材は全て桧です。桧は水にも強く(桧風呂や、まな板に使用される等)、「もしもの壁体内結露」にも、万全の体制です!

しかし、(前回までのお話より)ほぼすべての一般住宅で使用されている「構造用合板」は水、湿気にとても弱く、今回の設定「もしも、30年後の結露」では、結露ダメージと、合板経年劣化のダブルダメージで、更に寿命が短くなるのではないかと思われます。

永見工務店の「KAMIKI」は、外断熱壁通気工法で、構造木材の乾燥を維持し続け、大切な施主様の家を孫の代まで引き継ぎます

※ダブル断熱、トリプル断熱、遮熱断熱等も、当社では上記理由から可能な限り「通気」を確保した内容をご提案いたします!