Q値、C値、UA値、耐震等級3~等々も大切ですが、もっと大切な事を忘れていませんか?【HOUSE STUDY Vo.13】

永見工務店では、これから新築住宅を建てられる方やリフォームを考えられている方に、一生涯安心して過ごせる家造りをしていただく為の情報発信として「HOUSE STUDY」を掲載していきす。

皆様のお役に少しでも立てれば幸いです!


今回のテーマは・・・

<デザインや数値性能ばかり気になっていませんか?!編>

家とは?と聞かれても非常に難しいですよね?

今これを読んでいただいている方々は、いろいろな夢や希望に満ち溢れておられるのではないかと思います。

そこで、少しでもその夢や希望が良い方向に向かうヒントとして以下を読んでもらえればと思います。

先ずほとんどの場合、家は一生涯住むことになります。
30歳の方が90歳になるまで住む場合、60年間です。
ということは、

家の耐久性は最低60年必要

ということになります。

突然ですが、以下のグラフは何を示していると思いますか

実は林産試験場が行った合板の耐久性試験です。60年くらい経過するとかなり強度の数値が下がります。
そうです、接着剤で張り合わせたパネルは初期強度こそは非常に強いですが、耐久性の面ではまだまだ疑問の残る材料なのです!

合板とは以下の様なパネルです。
現在では、ほぼすべての家で重要な構造部分を構成する材料として使われています。

現在建てられているほぼすべての家が構造用合板を使用しています。
これでも一応「木の家」にはなります。

(私達は木質系木造住宅と呼んでいますが、、、。)

この合板を、以下のように使用します。

耐震強度を合板にゆだねている家
耐震強度を合板にゆだねている家
内側から見た合板施工 屋根・壁を合板で囲っている

このように合板でおおわれた家は、上記グラフの様に耐震強度や家自体の耐久性が劣化していくことが考えられます。

様々な材料、接着剤がありますので、一概に全ての家がこのようになるワケではありません。

しかし、大なり小なり、「劣化」する事には変わりはないのです。

「そんなことはない、大手メーカー等は60年長期保証があるではないか!」

「長期優良住宅はどうなるんだ!」

というお言葉を頂きそうですが、事実として「劣化」は免れないのです。

※長期優良住宅に関しては、当初、建築家の間でずいぶん議論されましたが、内容については国家戦略での規定です。様々な会社(大きな会社)の意見が取り入れられたのでしょう!合板仕様が前提となっているのは、悲しいところではあります。

現在の建築は現場費用以外の人件費がかかりすぎています。
このような状況下ですと、現場人件費を削減する為に合板を使わざるを得ないのもわかりますが、、、。

◎「一生涯住む為に」~
お落ち着いて考えればわかる家の重要な部位ランキング

順位項目(材)理由
1位構造材後で取り替えられないから。
2位下地材後で取り替えるのに高額な費用が掛かるから。
3位仕上げ材後で取り替えるのに相当な費用が掛かるから。
4位設備材後でやり変えるのに相当な費用が掛かるから。

こうしてみると、一生涯住む為には構造材が一番重要なのがわかります。
考え方としては単純に「メンテナンス費用又は取替費用が高額になる順に重要」です。

何が言いたいかと言いますと、現在の家はあまりにも「商品化」してしまい「売れる家化してしまいました。
本来一番重要視しなければならない「60~100年の耐久性」は忘れられてしまいました。


省エネルギー性能、断熱性能、気密性能、耐震性能、可変性能、デザイン等々。
大手メーカーや、デザイナー系設計事務所、営業主体の工務店等が先を争ってこれらを主張しています。
耐久性の中身は触れずに、、、。

これらに踊らされすぎていると思います。

少し落ち着いて考えませんか?

当然のことですが上記も重要です。


しかし、どんなに素晴らしい省エネルギー性能や、初期値耐震性能があっても基本となる構造体が60年以上たない。あるいはもたない可能性が大いにあるのでは、その高性能も意味がないからです。

今一度、基本となる「構造材」に何が使われているのか、気にしていただければと思います。

以下に様々な材の耐久性を表にしてみました。参考にしてください!

30年60年100年
基礎鉄筋コンクリート基礎
基礎パッキン金属系
樹脂系
主要構造材桧・地松等国産無垢材
米松等輸入無垢材
集成木材(接着加工木材)
構造用合板
構造用パネル
鉄骨
屋根仕上げ材釉薬瓦
ガルバリウム鋼板
スレート
屋根下地材桧・杉等国産無垢材
構造用合板
外壁仕上げ材サイディング
ガルバリウム鋼板
内装フロア下地が構造用合板の場合
30mm厚 無垢一枚板フロア板
内装壁下地が石膏ボードの場合
板張り
内装天井下地が石膏ボードの場合
板張り
システムキッチンオールステンレス
上記以外
システムバス
システム洗面台
トイレ 陶器シャワー機能を除く
    樹脂
24時間換気システム
照明器具
カーテン
給湯機
ソーラー発電
ガス発電
コーキング関係外壁
同上水廻り(水栓内パッキン等)
良好な環境 ノーメンテナンスを前提として

家電製品に該当するようなものは基本15~20年程度が限界とされます。

全ての材に耐えうる期限があります。
新築・リノベーション全てにおいて、完成した時点ですべて終わりではありません!
そこからが始まりなのです。
上記のように、様々な部材がメンテナンス費・修繕費・取替えが必要となるのです。

施主様の為に、いかにメンテナンス費がかからない様に建てるかは、その建築会社のポリシーに沿うのではないでしょうか?

建築会社側としては
・とりあえず、建ててしまえばあとは知らない。
・30年後のことを考えてるほど余裕はない。
・メンテナンス費の真実まで伝える必要はない。

ほとんどの建築会社はこんな感じです。

デザイン。快適性能。性能の数値。、、、。

こんな事ばかり気にしていると、50年後には耐震強度も半減したボロボロの合板の家に住まわなければならなくなります。

新築後20年もたたずに剥離 ガルバリウム鋼板屋根下地の合板

一番重要なのは、老後も安心して住める構造体です。

その構造体が、構造用合板ではあまりにも頼りないですね!

構造用合板で構成された家
腐食した合板屋根下地 合板は湿気に対し非常に弱い

そこで、永見工務店の標準ブランド「KAMIKI」です!
KAMIKIは総ヒノキ仕様!使用木材が全て桧です。

桧は非常に特異な性質を持っています。伐採後約200~300年間は強度が上がるという研究結果が出ています。
事実、神社仏閣では、100年以上も前の建造物はいくらでも存在します。
世界最古の木造建築物「法隆寺 五重塔」では1300年前の桧が現存しています。

集成材や構造用合板を一切使わない家なら、構造材は60年以上メンテナンスフリーです!

全ての新建材~集成材・構造用合板・構造用パネルを全否定するつもりはありません!
しかし、どうせ使うならデータ上ででも「劣化する」よりは「劣化しない」方が良いと思いませんか?

老後の生活が始まる35年以後、高額なメンテナンス費が前提の合板で構成された家では経済的にも不安が残ります。

先ずは、60年以上安心して住めること!
メンテナンス費において、老後も経済的に大きな負担が発生しないこと!

これを最優先とし、その上で、最高の性能やデザインを付加したいと思います!


これが、永見工務店の建築哲学です。